【刑務所最前線】「懲役廃止」で現場は大激変――拘禁刑移行で奮闘する宮城刑務所・東北少年院のリアル

11月26日は、東北矯正管区長とともに、宮城刑務所と東北少年院を訪問。それぞれにおいて、所長・院長に案内され、施設の隅々まで視察させてもらいました。

宮城刑務所は、長期刑の施設です。普段、私が足を運んでいる短期刑の施設とは雰囲気がまるで違います。宮城刑務所には無期囚が150名以上おり、なかには、終末期の緩和ケアを受けている受刑者もいます。

本年6月1日、「懲役刑」が廃止となり、受刑者の罰し方が、「拘禁刑」へと移行しました。その結果、受刑者処遇が多様化し、個々の刑務官にかかる負担は、かなり増えているようです。

そうした受刑者処遇の現場を、今回、つぶさに見させていただきました。

たとえば、

  • 昨年までは、作業拒否で部屋に閉じこもっていた受刑者であっても、今は、対話によって、なんとか外に出し、教育や作業に参加させている。
  • 体の弱った高齢受刑者には、作業療法士による機能訓練を受けさせている。
  • 知的や精神に障害のある受刑者に対しては、グループワークや座学など、自分の気持ちを率直に述べさせる場を設けている。
  • 出所予定の受刑者へは、民間とも協力し、就労支援に力を入れている。

等々です。

前日の11月25日には、東北矯正研究発表会(管区内の全施設、5つの刑務所・1つの刑務支所・1つの少年刑務所・3つの少年院・4つの鑑別所・2つの鑑別支所による研究発表)に招待いただきました。各施設長および職員の皆さんとの意見交換会も実施。それぞれの施設における新たな取り組みを知ることができ、大いに勉強になった1日でした。

拘禁刑への移行後、少ない人手にもかかわらず、日々奮闘している矯正職員の方々には、本当に頭の下がる思いがします。

雇用者全体に占める公務員の割合は、我が国の場合、OECD(いわゆる先進国)38カ国中、ダントツの最下位です。ちなみに日本は4.9%。トップのノルウェーは30.1%、米国は14.5%、そしてOECDの平均は18.4%となっています。

刑務官の数も、我が国は極めて少ない状況です。米国は約43万人、英国は約4万5500人、日本は約1万7500人。

刑務所をはじめとした矯正施設は、法治国家にとって、重要なインフラであることは言うまでもありません。

再犯によるリスク、あるいはそれにかかるコストを考えれば、もっと矯正行政に予算を投入すべきではないでしょうか。

以下のYouTubeをご覧になれば、矯正職員の苦労が分かると思います。

宮城刑務所   獄死が迫る受刑者たち  TBS「報道特集」より