対立をあおり票を狙う「三流以下の政治」――高齢者医療費の窓口負担増がはらむ罠

上野厚労相は12日の閣議後の記者会見で、高齢者医療費の窓口負担拡大に関し、「避けて通れない検討課題だ」との考えを述べました。

現在、高齢者の医療費窓口負担は、70~74歳は2割。75歳以上の後期高齢者は原則1割で一定以上の所得があると2割負担。自民と維新は、これらを一律3割負担 とすることを実務者協議で議論しているようです。

自民・維新だけではありません。最近は、国民民主党も含め、「高齢者 vs現役世代」「病気に罹っている人vs健康を維持している人」「生活保護受給者vsその他」などの構図をつくり、多数派のほうからの票集めをしようとするケースが目立っています。

国民の間の対立をあおり、それを集票につなげようとするなど、「三流以下の政治」と断じざるを得ません。

今は彼我の違いがあるかもしれませんが、人間すべて、明日は我が身かもしれないのです。

当然、人は皆、年を取ります。

高齢者の医療費負担を増やすことは、現役世代が高齢者になった時の負担増を固定化させることにもなります。それだけでなく、現在、高齢の親と同居する現役世代の生活をも苦しめることになるのです。

このまま高齢者医療費の負担増を決めた場合、むしろ医療費が増大する可能性さえあるのではないでしょうか。受診控えが進み、その結果、病気が重症化していくからです。

そうしたデメリットの多さを考えると、この高齢者医療費の窓口負担増は、絶対、実行に移すべきではありません。